もりもりです。
ときおり起きる大きな災害や異変の前には、その災害や異変を予知する人が現れることがある。
次から話す惨事については、なんと驚くことに、60人以上もの人によって事件が予知されていた。
しかしこの60人という数字は、心理学者の調査によって、確実なものだけを選び出した上での数字なのだ。
つまり実際には、もっと多くの人々がこの惨事を予期していたらしいことは、どうやら間違いないようだ。
「苦しい、怖い」・・・悪夢に怯(おび)える60人もの子供たち。
(出典元:科学では解明できない奇妙な話より)
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無視された警告
1966年10月21日、イギリス・ウェールズにあるアバーファンという炭坑(たんこう)の村での出来事である。
じつは数日前から、村の小学校に通う子どもたちの多くが、奇妙な夢を見るようになっていた。
子どもたちは、両親に夢の中で味わった恐怖感と圧迫感を話したが、残念ながら、親たちにはまったく相手にしてもらえず、彼らの話はことごとく無視されたのだった。
例えば9歳になる少女、エリル(仮名)の場合は、前日の10月20日の夜に、次のような夢を見た。
「ねえ、ママ聞いて。わたし怖い夢を見たの。学校の上に何か黒いものがかぶさって、学校の建物がまったく見えなくなってしまうの」
彼女は夢から覚めると、慌ててこの夢の中の恐ろしい出来事を母親に話した。
「そう、それは怖かったわね。でもそれは夢なのよ、もう忘れて寝なさい」
彼女の話は、まったく母親に聞き入れてもらえなかった。
こうして彼女は次の日、学校に行かされたのだった。
また、ルーシー(仮名)という女の子は、母親にこう伝えた。
「ねぇママ聞いて。わたし学校に行ったけれど、そこには何もないの。黒い大きな穴があるだけなのよ。わたし怖くて泣いちゃったわ」
しかし彼女の母親は、笑っていた。
「大丈夫よ、変な夢を見ただけよ」
こうして彼女の話は、まったく聞き入れてもらえなかった。
そして次の日、彼女も学校へ行かされた。
さらに、もっと具体的な夢を見たアリス(仮名)という女の子がいた。
「わたし見たのよ。学校のあった場所が、なんと土砂崩れで埋まっていたの」
しかしこの彼女の話も、残念ながら両親には信じてもらえず、次の日、彼女も学校に送り出された。
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最悪の結末
10月21日、村の小学校でついに惨事が起きてしまった。
不安におびえる子どもたちがいる校舎に、隣(となり)にある石灰層(せっかいそう)の山が崩れて襲いかかったのだ。
この突然の惨事により、多くの生徒が生き埋めになってしまい、じつに139人もの生徒が亡くなるという最悪の結果となってしまった。
せっかく事前に60人もの人々が、この惨事を予知していたのにもかかわらず、その子どもたちの夢の話は信じてもらえず、ついに彼らは生き埋めになり二度と帰らぬ人となってしまった。
さてその後、この事件を研究した心理学者がいた。
彼の調査によると、じつはすでにこの惨事の一週間程前から、事件を予知する夢を見る人が少しずつ出ていたらしいのだ。
おそらく夢の中で、彼らが感じた恐怖感や圧迫感は、彼らが生き埋めになるときの感覚を、あらかじめ警告していたのかもしれない。
しかし残念ながら彼らのこうした警告は、誰にも受け入れられず、見過ごされてしまう結果となったのだ。
のちに、この悲しい出来事は「ウェールズの悲劇」と呼ばれるようになり、人々は犠牲(ぎせい)となった子どもたちの冥福を心から祈ったのだった。
さて、こうした惨劇にあった子どもたちは今、哀(あわ)れにもアバーファン村の基地で永遠の眠りについている。
その子どもたちの一生は、あまりにも短すぎた。
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まとめ
予知夢が信じてもらえていたら、こうした惨劇は事前に避けられていたでしょう。
予知夢が、子どもばかりであったために、その意味が大人たちに理解されにくく、こうした結末を迎えてしまったのです。
今日も読んでくれてありがとうございました。