もりもりです
古代兵士に金銀財宝。
奇妙な夢が幾番も続いた。
まるで彼女に何かを伝えがっているかのように。
次にお話しするのは、実に不思議な、古代のロマンに満ちたエピソードです。
(出典元:科学では解明できない奇妙な話より)
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夜ごと現れる古代兵士
1892年、イギリス・シュロップ州にある貧しい家で、ベティ・フォックスは家族と
共に暮らしていた。
ある晩ベティは、古代の兵士の格好をした男たちが、やぶの中でなにかを掘り返している夢を見た。
「いったい彼らは、なにを繰り返しているのだろうか」
ベティはそれを見たいと思ったが、そこで夢から目が覚めてしまった。
「なんだ、夢だったのね。それにしても変な夢だったわ」
彼女はなんとも珍しい夢を見たと思った。
夢に出てきた古代の兵士の格好をした男たちは、いったい何者だったのか。
彼女には、どうも不思議でならなかった。
次の晩もベティはまた同じような夢を見た。
今度も、また夢の中に同様な兵士たちが現れ、そのやぶの中で土を掘り返していた。
「まただわ。彼らは土を掘り返して、なにを探しているのかしら」
彼女は今度こそ謎の正体を見たいものだと思い、夢の中で彼らの様子を見守っていた。
やがて彼らが立ち去ったので、ベティはあわててそのやぶのところへ駆け寄って見た。
「ああっ、すごい。これはお宝だわ」
彼女は驚いた、そこには一面に金貨や銀貨が散乱していたのだ。
なるほど、彼らはこれらの金銀の財宝を掘り返していたのだ。
しかもよく見れば、そこは彼女がよく知っている場所ではないか。
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掘り出された金
やがて夢から覚めた彼女は、これはよい夢のお告げではないかと感じ、さっそく夢で見た出来事を家族に話した。
「ねぇ、聞いてよ。私は不思議な夢を見たのよ」
しかし残念ながら、彼女の夢の話を家族はまともに聞いてくれなかった。
「あははっ、おまえなにを寝ぼけたことを言っているのだ」
「そうよ、ベティ。夢で見たお宝なんて、あるはずがないわ」
彼女はまったくおかしな夢を見たものだと、家族に笑われてしまった。
さすがに家族に笑われて、ベティもやはり夢物語だったと思い直した。
ところがその数日後に、またしてもベティは同じ夢を見たのだ。
「どうも不思議だわ。これだけ同じ夢を見るなんて、やはりただごとではないわ」
彼女はこう確信した。
「家族に話しても無駄(むだ)だわ。こうなれば自分で確かめるしかない」
ベティは思った。
彼女はやぶを掘る用意をして、さっそく夢で見たやぶのある場所に向かった。
「ここだわ、たしかここから宝が出てきたはずよ」
やぶに着くと、ベティは鍬(くわ)を使って、夢で見た場所を掘り返してみた。
しばらく掘ると、ベティの鍬がカツンとなにかに当たった。
「あれっ、なにかしら?これはもしかして金貨?これはすごいわ」
そこからは夢で見たように、金貨や銀貨がざくざくと出てきたのだ。
「やったわ、本当に財宝を見つけたわ!」
彼女は喜んだ。
やはり彼女の見た夢は、本当に正夢だったのだ。
その後、彼女が掘り出した金貨を調べて見ると、それは古代ローマ時代のものだとわかった。
どうやら彼女の夢に出てきた古代の格好をした兵士とは、じつは古代ローマ人だったらしい。
やがて彼女の発見が次第に話題となり、ついに考古学者たちがこの調査に乗り出した。
そして本格的な発掘調査をした結果、意外な事実がわかったのだ。
ベティが発見したのは、なんと今から1500年以上も前にローマ人が築いた「古代都市ユーリコニューム」だったのだ。
こうして彼女の見た夢は、素晴らしい古代都市の大発見につながったのだ。
そもそもベティは、世間の女性と同様に、裕福で華やかな生活に憧(あこが)れており、いつか現実の貧しい暮らしから抜け出したいと思っていた。
こうしたベティの強い憧れが、いつしか彼女の願望を満たすために、不思議な夢を見させたのかもしれない。
そのおかげで彼女は、金貨や銀貨などの財宝を発見することができ、さらにそれが、やがて古代都市まで発見することになるとは、なんとも不思議でロマンあふれる物語ではないか。
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まとめ
夢は目が覚めると忘れてしまうことが多いし、はっきりと覚えていることは少ないと思います。
しかし、偉人や世の中で成功する人は、夢の中の出来事も大切に記録するのでしょうね。
今日も読んでくれてありがとうございました。